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猫尾製作所

あまりアテにしないでね

3月14日は「数学の日」

数学 雑記

もう期日は過ぎてしまいましたが、3月14日は「数学の日です。

では、なぜ3月14日か、というと、数学で最も重要になってくる定数である円周率(\pi)の近似値が 3.14 であるためとのことです。ここで今、近似値といいましたが、円周率 \pi3.14159265358979323846… と延々と(無限に)続いていくのです。無限に続いていくだけではなく、すべての桁を知ることも不可能です。なぜならば、\pi無理数(整数を分母と分子にもつ分数で表せない実数)であるからなのです。

しかし、できるだけ多くの桁を知りたいと思っている人もおられるようであります。東京大学金田康正研究室 では円周率を計算機により数値計算することを、研究のおおきなテーマとしています。同研究室では「スーパーπ」という円周率を多数桁、パソコン上で計算するソフトウェアも公開していました。これはベンチマークソフトという、要は計算の速度によってコンピュータの処理能力のはやさを測定することが目的のソフトです。この研究室の教授である金田氏は2002年に、円周率の1兆桁を超える桁数の計算に成功しておられます。しかし、2011年の時点では、(他の研究者により)10兆桁以上計算されているそうです。なお、10兆桁以上の計算は、日本の長野県のアマチュアの男性研究者により趣味で行われたこともあったようです。

さて、円周率。そもそもこの値とはどういう意味を持った値なのか。そして、それを計算する方法とは。数兆桁とかいう多くの桁を知る必要性とは。いろいろな疑問が出てきます。
まず、円周率の意味(定義といいかえるべきかもしれませんが)については、円(真円)について、(円周の長さ)÷(円の直径)の値 であると小学校の段階で教わると思います。そして、直径の長さ(円の大きさ)を問わずこの比率は厳密に一定となるのです。

私が円周率という概念を小学校ではじめて教わったときには、先生の指示により、教室にかけられている時計を外して。各生徒が、それぞれ外周の長さをひもで、直径の長さをものさしで測りました。そして、周の長さを直径の長さで割り算をして、それが 3.1 を少し超える程度になることを多くの生徒が確認しました。そのあと、先生から「この比を円周率というんだよ。君ら小学生は、およそ 3.14 と覚えなさいね」というように教わった記憶があります。一時期は小学校の段階においては「円周率はおよそ3」と教えられたという伝説もありますが。ゆとり教育だとかなんだとかいわれていた、かつての日本の教育。さすがにおおざっぱすぎますよね。

さて、円周率は何万桁も、何億桁も、何兆桁も、それ以上も、延々と続く終わりのない、しかも法則性はまったくみられないというものですが。円周率を人間の頭で10万桁暗記された方が日本人でおられるそうです。日本人というのはごろ合わせが好きなもの。これも日本語の特性ゆえなのかなとも思いますが、円周率についても「産医師、異国に向こう、産後厄なく、産婦みやしろに…」なんて覚え方があります。略す前までの部分までで約20桁、3.14159265358979323846 という近似値を記憶できます。数学定数の近似値の有名な語呂合わせにはほかにも \sqrt{2} = 1.41421356…(一夜一夜に人見頃)、\sqrt{3} = 1.7320508…(人並みにおごれや)、\sqrt{5} = 2.2360679…(富士山麓オウム鳴く)なんてのもあります。社会科でも「なんと(710)立派な平城京」「鳴くよ(794)ウグイス平安京」「いい国(1192)作ろう鎌倉幕府」「火縄く(1789)すぶるバスティーユ」などなど歴史上の出来事の西暦年号の覚え方がいろいろありますけれど。ちなみに英語圏ではごろ合わせはそう簡単ではないらしいです。ですけれども、円周率の近似値の覚え方に "Yes, I have a number." というのがあります。敢えて和訳すると「はい、私は数を持っています」ですが。なぜこれが、円周率の近似値を表すかについては、各単語の文字数を調べてみてください。

しかしながら、数学においては  \pi という定数。一見「円」とは関係のなさそうなところで諸々と出てきます。そして、計算の結果が(円と関わりのなさそうな式でも)  \pi となる不思議な式も多数知られております。やや数学能力に自信のある方は 円周率 - Wikipedia をご覧ください。

さて、円だけにそろそろこの記事もまるくおさめたいものです。3月14日に「数学の日」というのがあることはあまり知られていないかもしれません。数学をある程度勉強してきた私にも、まだまだ知らないことだらけの数学の世界。そこにはわくわくするものがたくさん詰まっています。これからなお、すこしずつでも勉強を続けたい、というのが個人的な感想ですね。