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猫尾製作所

あまりアテにしないでね

地球の運動エネルギー

学習日記 物理学

今回は連載から外れた記事を書きますね。

ご存知のとおり、地球は二つの意味で回っていますよね。それらは自転(自分で1日に1回転する、昼と夜の区別の発生因子)と公転(1年で太陽の周りを1回転する、季節の変化の発生因子)なのですが、最近、剛体の物理学を勉強していて、回転エネルギーについても勉強したので、地球の自転エネルギーの大きさも求めてみようと思いました。そして、自転のエネルギーと公転の運動エネルギーの比はどのくらいなんだろうとも思いまして。

さて、剛体の物理学というのは高等学校の学習指導要領に則った科目としての「物理」のカリキュラムではほとんど扱いません。つまりは、大学入試等においても出題はないと思われるのですが、大学の物理という進んだ段階になってようやく少し本格的に扱うようになるようです。その際には高校物理では概念として扱わなかった物理量、それは角運動量とか慣性モーメントとかいう物理量なのですが、を導入することで剛体の物理学を研究します。

大学物理の初歩の段階では、剛体のある軸の周りの回転運動を扱いますが、慣性モーメントというのは質点の力学でいうところの質量に相当する物理量です。つまりは動かしにくさですね。質点の物理学でも、同じ力を加えても質量の大きい物体に対しては、加速度が小さくなる。すなわち動かしにくくなります。それと同じで慣性モーメントの大きい物体ほど同じ力を加えても回転速度の増加率が小さいわけなのです。

回転のエネルギーは慣性モーメント I と角速度 ω でもって E = I ω^2 と表されるのですが、ちょっと細かい説明は端折って早くも本題へと。

今回の計算に使う定数を挙げておきます。

地球の軌道半径 R = 1.496*10^11 メートル
地球の質量 M = 5.974*10^24 キログラム
地球の半径 a = 6.378*10^6 メートル
自転周期 T = 23時間56分04秒 = 86164 秒
公転周期 P = 365.2422 太陽日 = 31556926 秒

自転周期が24時間ちょうどより4分弱短いのは、公転周期により毎日 1°ほどずつ恒星に対する太陽の位置が変わるからです。1年間で360°太陽が天空上を動いて見えるのですが、そのぶん実際に自転している回数が見かけより1回だけ多いのです。4分弱が365日積もると1日分となりますので。1年間(365.2422太陽日)に地球は366.2422回自転しているという形になります。

それでもって球体の中心を通る軸に対する慣性モーメントは I = 2/5 M a^2 となります。慣性モーメントは剛体の形状、及びどこを軸に取るかにより値は変わるのですが、真球の中心を通る軸に対する慣性モーメントは先述の式で表現されます。

慣性モーメント I = 2/5 M a^2 は先ほどの定数の代入により I = 9.72*10^37 [kg m^2] となります。また、地球の自転速度(角速度)ω = 2π/T = 7.292*10^(-5) rad/s も計算できます。これから地球の自転のエネルギー E を求めると E = 1/2 I ω^2 より 2.58*10^29 ジュール となります。

一方、公転の運動エネルギーですが、地球の公転速度 v = 2πR/P (地球の軌道を真円と仮定して 1年間で 2πR の距離を進むということで)より v = 2.979*10^4 m/s を得ます。運動エネルギーは地球を質点と見て K = 1/2 M v^2 がそのまま適用できますので M, v を代入しますと K = 2.65*10^33 ジュールとなります。

自転のエネルギーは 2.58*10^29 ジュールで、公転している運動エネルギーが 2.65*10^33 ジュールということになります。地球の公転の運動エネルギーは、その自転のエネルギーの1万倍ということになります。仮数部がほとんど似た数字なのでほぼちょうど1万倍です。同じくらいだと予想していたら1万倍、実に4桁も違うんですね。

しかしながら、10^29 ジュールとかってどのくらいのエネルギーなんでしょう。地震の規模を示す「マグニチュード」は地震によって放出された推定のエネルギーの対数でもって表現されます。エネルギー E (ジュールを単位として表す) と マグニチュード M の関係式は log E = 1.5 M + 4.8 と表現されるのです。これにあてはめるならば E = 2.58*10^29 に対しては M 16.4, E = 2.65*10^33 に対しては M 19.1 となります。

マグニチュード16とか19とか……。エネルギーであれば何でもこの式でマグニチュードとして変換して扱うのはかなり乱暴な気もしますが。マグニチュードがエネルギーの対数で表現されるということを考えると想像もできない大きさですよ。何せ、マグニチュードが1上がるとエネルギーは32倍にもなるのですから……。

もう少し悪足掻いて、自転のエネルギーは世界中の人類全員分の何年分ぐらいの食料の代謝エネルギーかな、と計算します。女性やお年寄り、子どももいますけれど 1人1日 2000 kcal (8000 KJ) を必要として計算しましょう。2.58*10^29 J ÷ 8000 KJ/日/人 ÷ 70億人 ÷ 365日/年 = 126 億年。
んー、敢えてコメントはいたしません。あまりにも粗の多く、かつナンセンスな計算でしたので。

全体をとしてみてもナンセンスな記事でした。相変わらずですけれど。