読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

猫尾製作所

あまりアテにしないでね

『おおかみこどもの雨と雪』観てきました

日記 レビュー

巷で話題になっているこの映画を観てきました。

夏休み期間中に上映されるファンタジーのアニメ映画で日本テレビと東宝が配給しているのでなんとなくジブリ映画風ですが、この作品は『スタジオジブリ』製作ではなく、『スタジオ地図』という《ポストジブリ》を謳うスタジオによって製作されているとのこと。そして、総監督の細田守さんは富山県出身の方。富山県民としては是非観ておきたいというか、そういったような地元への帰属意識はあまり好きではないのですが、それを抜きにしてもじゅうぶん「観てみよう」と思える作品ですし、また観終わった後は「観てよかった」「また観てみよう」と思える作品です。

ネタバレを最小限に抑えて、私なりに感じたことを紹介いたします。奨学金などで自活する女子大学生『花(ハナ)』が最初に登場するのですが、女子学生・花がキャンパスで講義にもぐりこんでいたある男性に恋をしてしまいます。花はその男性に話しかけ、ふたりのあいだに接点ができあがり、そしてふたりの距離は次第に近づいていくのですが、ある夜、その男性は自分が二ホンオオカミの末裔であり、「おおかみおとこであること」を花に告げます。それでも花は男性ともっと距離を狭めることを望み、やがてふたりは結ばれます。ふたりのあいだには雪の日に生まれた娘『雪(ユキ)』と、大雨の日に生まれた雪の弟である息子の『雨(アメ)』が授かります。しかし、息子の誕生と同時に、おおかみおとこの男性との突然の別れが訪れ……。

シングルマザーになった花とおおかみこども二人の計三人は途中から事情により田舎に移り住むことになります。田舎といっても本当に山奥です。その田舎ぐらしのようすが細やかに描かれており、新鮮さを感じました。同時に次はどうなるんだろう、とハラハラ感もあります。もちろん田舎とはいえど、近所のつながりはあります。都市部と比較すると、近所との物理的距離は大きいものの、たすけあいの精神は非常に強いようです。まわりとのたすけあい、及び家族のつながり、昨年の世相漢字になった『絆』を連想させられました。その田舎で雪と雨のふたりは育っていくのです。

しかし、細田さんは富山県の上市町の出身とのことです。上市というのは富山市より少し山に入ったところなのですが。やはり細田さんが土地の生んだ人であるがゆえなのだろうか、田舎の風景の描写の細やかさはポイント高かったですね。人間の数より動物の数の方がずっと多い地域のはなしです。もちろん姉弟はおおかみこどもでもあるわけで人間にカウントするべきか狼にカウントするべきか、そのあたりからも田舎に移り住まなくてはいけなくなった事情も伺えるかと思います……。このあとは、ネタバレの要素が大きくなりますので、敢えて筆を置きます。

小説も発売されているようですので、活字中毒の方はそちらから入られてもいいかもしれません。



《ポストジブリ》を謳うところの製作であるだけに、ジブリ作品を毎年楽しみにしておられる方なら魅力を感じられると思います。