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猫尾製作所

あまりアテにしないでね

生存報告

日記

久方ぶりのブログ更新でございます。
さて、今回は2014年初記事ですので、あけましておめでとうございます。
……って、2月も後半になって「あけおめ」はありえぬか……。
やっぱり、「あけおめ」の挨拶は遅くてもいわゆる松の内の期間いっぱい、1月15日ぐらいまでですかね。
まして、2月なんかに「あけおめ」なんて言っていたら「お前だけ旧暦で祝ってんのか」とか言われるかも(←いや、そういう着眼点はお前だけだ)。

なにがともあれ、前回の更新(昨年12月19日)から2ヶ月でございます。
この2ヶ月のあいだに、ちょっとだけ忙しくなりました。
12月13日(金曜日)から就労支援継続A型にて福祉事業所にて職業訓練を受けているのです。
福祉事業所とはいえ株式会社であり、会社員といえるかどうかはともかく、まぁ「社会人」とはなりましたね。
今のところ、直接会社の売上に関与することはしておらず、実際はあくまで訓練を受けているというわけです。しかし、雇用関係が締結されたということになり、お給料もいただくことになっています。
勤務時間は午前中(8時から12時)の4時間で、土日を除く週5回通勤しております。
週20時間ということは一般的なサラリーマンの方の半分以下ですが、毎日通えているので、以前の私からみれば「御の字」ではあります。
社会人ゆえに守秘義務は常識ですので、あまり詳しく書くのもタブーではありますが。
いちおう、IT関連の企業ということになっています。4時間のあいだ終始、パソコンを使って業務(というか訓練)を行っております。
先述の通り12月半ばから通っているのでもう2ヶ月以上経過しましたね。
ずいぶん、「おしごと」にも慣れてきてはおります。そして、楽しんで「おしごと」をしております。

1月末には、12月分の給料をいただきました。
うちの父は2月生まれなのですが、父の誕生日には父の好きなお酒の四合瓶とショートケーキをプレゼントしました。2月3日の節分には毎年(といえど今年で3年目ですが)恒例、家族3人分の恵方巻を買いました。
働けるようになって尚更、親のありがたみと苦労を思いますね。

と、こういうところで。近況報告も兼ねまして、でした。

数学カルタ

数学 ネタ

『数学カルタ』を公開しました。
http://www.geocities.jp/thilogane/math_carta_2013.html

2013年のアドベント企画 Mathematics Advent Calendar 2013 に私も参戦。
私は不勉強かつ偽数学徒なもんで、論文みたいなことは書けないんですけれど、せっかく参加表明したからには、ということで、かねてより考えていた『数学カルタ』を作ってみることにしました。
まぁ、クリスマス過ぎればお正月も直なので、お正月といえばカルタでしょ、というわけでもあります。
というわけで、数学にまつわるネタで五十音(正確には44音)の各文字から始まる短い文(なるべく五七五、そうでなくてもリズムが良くなるように作りましたが、そうでないものも多くあります)を作ってみたのです。それを3セット作りました『中学編』『高校編』、そして一般編ならぬ『逸般編』というかたちで。
44×3 = 132 というわけで、132本の短い文があるのですが。人によりツボは違うとは思えるけれど、数学を勉強してきた人からならある程度は共感が得られるかな、とか勝手に思ってます。数学に苦しめられてきた人にとっても、また共感できるのが少かれどあるかもしれません。
132本のうちにはチャート式的な文もあり、若き日の切実な感想や愚痴もあり、数学以外の教科や分野にも(とくに理系科目に)関連してくるのもあり、ちょっと上から目線かも的なものも(そういうこと言えるほどエラいものではない私ですが)あり、です。
カルタといえば、絵札があってこそ、なのかもしれませんが、さすがに132枚も絵を描けといわれても、なので。あくまで文だけにしました。ご了承を。

『数学カルタ』
http://www.geocities.jp/thilogane/math_carta_2013.html

2014年の新月について

雑記 天文

2013年12月3日は2013年最後の新月(朔, New Moon)の日です。
その次の新月は、来年元日、2014年1月1日です。
そしてなんと、1月1日にちょうど新月となる瞬間は日本時間では20時14分で、 西暦年と同じ「2014」の並びになるのです。
2014年最初の新月は、元日の20時14分」というのは偶然の一致とはいえ、数字のトリックに過ぎないとはいえ、ちょっと驚きですね。
しかし、1月1日に新月ということは、来年は新暦(西暦、あるいは我々が普通に用いている暦、グレゴリオ暦)と旧暦(明治5年以前までの日本で用いられていた太陽太陰暦、厳密にはそれを継承して民間で作られる暦)の正月元日が同じ日になる、と思いたくなりますが違います。西暦2014年1月1日には、まだ旧暦では十二月です。
さて、2014年の1月には1日と31日、2回新月の日が存在します。1月31日が旧暦元日(春節) となります。しかし、2月にはいちども新月の日が存在しません。けれども、3月に入るとまた2回新月の日が存在します(1日と31日)。つまりは、2014年には新月の日を2回含む(グレゴリオ暦での)月が2つあるということです。

ここで来年の旧暦の表を示しておきます。

2014年(平成甲午年、神武天皇即位紀元2674年)旧暦表

旧暦月 朔日の日付 対応する中気
癸巳十一月小 2013-12-03 (火 09:22) 冬至 12-22
癸巳十二月大 2014-01-01 (水 20:14) 大寒 01-20
甲午正月小  2014-01-31 (金 06:39) 雨水 02-19
甲午二月大   2014-03-01 (土 17:00) 春分 03-21
甲午三月小  2014-03-31 (月 03:45) 穀雨 04-20
甲午四月大  2014-04-29 (火 15:14) 小満 05-21
甲午五月小  2014-05-29 (木 03:40) 夏至 06-21
甲午六月大  2014-06-27 (金 17:08) 大暑 07-23
甲午七月小  2014-07-27 (日 07:42) 処暑 08-23
甲午八月大  2014-08-25 (月 23:13) 秋分 09-23
甲午九月大  2014-09-24 (水 15:14) 霜降 10-23
甲午閏九月小 2014-10-24 (金 06:57) (中気なし)
甲午十月大  2014-11-22 (土 21:32) 小雪 11-22
甲午十一月小 2014-12-22 (月 10:36) 冬至 12-22
甲午十二月大 2015-01-20 (火 22:14) 大寒 01-20
乙未正月小 2015-02-19 (木 08:47) 雨水 02-19
乙未二月大  2015-03-20 (金 18:36) 春分 03-21

これは 2009年12月19日付の拙ダイアリーの記事 で旧暦を実際に作ってみようという試みを実演した際に、説明のために用いた表に準拠しています。旧暦の仕組みについてもその記事で解説してありますので、是非そちらもご覧ください。なお、参考のため朔の日付に加える形で、その曜日とちょうど新月になる時刻(日本標準時での時刻)を今回は併記しました。

また、月名の後に「大」「小」の文字を併記しましたが、これは旧暦月の長さです。我々が現在使っている暦では31日まである月を「大の月」、30日以下の月を「小の月」と呼び、月の大小の関係は毎年固定されていて、2, 4, 6, 9, 11 月が小の月であることから、語呂合わせでもって「にしむくさむらい(西向く士)」なんていう覚え方があります。「にしむく」は「二四六九」に対応するのはわかりますが、「さむらい」は「士」という漢字を「十一」に見立てているわけなのです。

旧暦にも「大の月」「小の月」の別はあります。30日間の月を「大の月」、29日間の月を「小の月」と呼ぶことになっています。我々の暦より各月の長さが1日程度短いのは、朔望月が約29.53日であり、それを12倍しても354.36日と、太陽年の12ヶ月(一年)が365.24日なのに対してだと、1年の長さが11日短くなるからです。1年が11日も短いと、約3年で1ヶ月のズレを生じますが、そのために閏月というのが調整のために配置されることがあります。太陽太陰暦において、閏月のある年には1年が13ヶ月となり、その年の長さは384日程度になります。閏月のない年は1年は12ヶ月(12朔望月)であり、その年は354日程度で終わってしまいます。

旧暦の大小や閏月についても興味深い考察を 2011年6月18日付の拙ダイアリー で行いました。そちらも是非ご覧ください。

なお、データ入手等のために 国立天文台の暦計算室を参考しました。そこでも手に入らない情報は 以前自前でプログラミングして作った朔日表 を参考にしています。

旧暦の2014年(平成甲午年)には閏月として閏九月があります。閏九月というのは天保暦を継承している定気法を用いての太陽太陰暦においてはかなり珍しいようです。そして、西暦の2014年12月22日(月)は冬至であるが、新月の日でもあり、いわゆる「朔旦冬至」の年ということになります。この「朔旦冬至」とは冬至の日と新月の日が重なることで歴史上では非常に意義があるものだったそうです。

来年2014年の旧暦カレンダーは数字のトリックに過ぎないものも含みつつも、いろいろと興味深いものとなるようです。

72の法則

ネタ 雑記

以前は本当に毎日書いていた(正確には毎日の日付に対して)私のはてなダイアリーはてなブログに移転した今、しかも今年に入ってからはほとんど書かなくなりました。
そろそろまた、気まぐれに書いていくことにしようかな、と思い立ったが吉日というわけで。

今年2013年もはや霜月・11月。年末が刻一刻と迫っています。11月〜12月にはその年の振り返り的なことがこれからどんどん行われていきますね。そのひとつに『流行語大賞』なんてのもありますけれど。
とはいえど浮世離れ系男子(?)の私は、世間様ではどんな言葉が流行っているのやら、詳しくはありません。ただ、『アベノミクス』『今でしょ!』『倍返しだ!』などは流行りましたよね。

『アベノミクス』というのは、なんじゃらほい、とか思っていますけれど、『今でしょ!』はつくづく同意をせざるを得ない名文句だと感じております。

「いつやるの?今でしょ!」
この言葉は予備校の国語の先生の林先生という方の言葉らしいのですが、職業柄ゆえにこういう言葉が出てくるのかな。何せ、予備校の先生というのは浪人生相手の商売。浪人生、もう高校は卒業したけれど、大学には進めなかった。だけど、年齢は18、19、20、とどんどん過ぎてゆく。ああ、高校の同級生はキャンパスライフをエンジョイしているけど、なんで俺は高校の勉強を今でも続けてるんだろう、なんて思いながら勉強しているのだと思います(そうでなければすみません)。鬱々と勉強してたら来年もあぶないな、そしたらまた年齢がプラスワン。いろいろ焦りや後悔はあるのでしょうかね。

そんな若者に「今でしょ!」と喝を入れたのが林先生でした。もう過去は過ぎ去った。だけど、未来は未だ来ていない。過去にもっと勉強していればよかった、と思うかもしれないが、過ぎ去ったことなんだ。そしてしょぼくれたまま、どうせオイラはと思って、勉強を放棄したら、いつまで経っても受からない。ま、明日からでいいさ、来週からでいいさ、来月から、来年から……。なんて思うのかな。でも、先送りしたって同じことの繰り返し。じゃあ今から始めればいいじゃない。今この瞬間から。今この瞬間はこれからの人生の期間で一番若いんだよ。過去は変えられないけど、未来なら変えられる。過去を引きずらず、未来に先延ばしせず。いまから、これから。なんですよね。

とまぁ、若者に対して先輩面できるほどのエラソーな者ではないのにいろいろと書いちゃった感はありますが、ちょっと横道にそれていました。

その次に考えたいのは、またこの記事の主題にもっとも関連するのは『倍返しだ!』なんですよ。
半沢直樹』というドラマの名文句らしいのですが、私はその番組を見たことがないのです。ですが、知人等を通じてどうやら銀行が舞台になっているとも聞きました。

銀行が舞台になっていると聞いた時に、私が考えたこと。それは「倍返しとはいうけれど、じゃあ銀行にお金を預けても、それを倍返ししてほしいな」でした。恥ずかしながらではありますがこれは切実ですよね。

だけど、『半沢直樹』が放送された今年2013年現在銀行の金利なんてお賽銭程度です。年利でいうなら0.02%とか0.03%とかそういうレベルなんですわ。もし仮に100万円銀行に預けてたとしてもその0.03%はというと。0.03%は1万分の3ですから、年間で300円ですか。1000万でも金利は年3000円ですか。もし銀行に対して個人でも無制限に貯金ができて金利も定率(0.03%としましょう)であったとして、金利だけで生活していくには……。年間100万じゃとても足りそうにないので、年間200万だとしても。単純計算で60億円の貯金が必要です。銀行の仕組みをよくわからない人間の文章なので、特にこのへんは粗は非常に多いと思いますが、お許しください。もし、個人が60億も持っていれば、金利生活なんてあえてせずに普通に使えよ、って感じですかね。100年生きるとしても年に6000万使えるんですから……。

以上の記事を見て「あ、こいつってただの世間知らずや」と思われたかも知れません。そんな恥さらしの乗り越えて要約本題へのアプローチでございます。

「銀行に預金を預けたお金を、銀行から倍返ししてもらうには何年かかるの?」
はい、これを簡単に計算する式についてのご紹介が今回の主題なんです。

結論から申しますと、72÷(金利をパーセントで表した値)=(倍返しになるまでの年数)がわりとよい近似式になっているということです。72を金利で割るから「72の法則」なんです。また、これは複利計算の場合の式なので、そのあたりもご注意ください。
借金の場合も同じ式でもって倍返ししなければならなくなるまでの年限というのが計算できます。

でも、ほんとに、72÷金利なの?と思いたくなると思うので具体的な数字でもって検証します。昔々のその昔、銀行の定期預金なんかの金利が年6%とかいう時代もありました。今から見れば、信じられない話ですけれど。

そんな(夢のような)時代のある年に100万円を預けたということにしましょう。翌年には100万円の6%の金利がつくわけですのでプラス6万円で106万円になります。さらに次の年には106万の6%の金利がつくので 1,060,000×0.06 = 63,600 で 63,600円 の金利が付きます。前の年より 3,600円 余計につきましたね。複利法ゆえにこうなるのです。そして預けた年の2年後には 1,000,000 + 60,000 + 63,600 = 1,123,600 で 112万3600円 が口座に入っています(その期間中には出し入れしないものとして)。3年後以降はどうなるのだろう。わかりやすいように最初の年からのぶんも含め表にしますね。

何年後? 年初における預金残高 その年の末までに付く利子
0年後 1,000,000 +60,000
1年後 1,060,000 +63,600
2年後 1,123,600 +67,416
3年後 1,191,016 +71,460
4年後 1,262,476 +75,748
5年後 1,338,224 +80,293
6年後 1,418,517 +85,111
7年後 1,503,628 +90,217
8年後 1,593,845 +95,630
9年後 1,689,475 +101,368
10年後 1,790,843 +107,450
11年後 1,898,293 +113,897
12年後 2,012,190 +120,731
13年後 2,132,921 +127,975
14年後 2,260,896 +135,653
15年後 2,396,549 +143,792
16年後 2,540,341 +152,420
17年後 2,692,761 +161,565
18年後 2,854,326 +171,259
19年後 3,025,585 +181,535
20年後 3,207,120 +192,427
21年後 3,399,547 +203,972
22年後 3,603,519 +216,211
23年後 3,819,730 +229,183
24年後 4,048,913 +242,934
25年後 4,291,847 +257,510

※金利の円単位未満は切り捨てとしました。

12年後に約201万、そのさらに12年後(預けた年の24年後)には約405万。12年で「倍返しだ!」なわけです。先ほど金利を6%と仮定したのですが、確かに 72÷6 = 12 なので、金利が複利で6%なら、12年後に倍になるという目安は成り立ちます。

でも、疑問点はありますよね。6%ならたしかに「72の法則」も成り立つけれど、金利が違ったらそうでもないんじゃないのか?と。

さて、普通の電卓では複利の計算はちょっと難儀なので、べき乗が計算できる関数電卓を使って検証してみます。関数電卓が手元になくても Google に付いている電卓機能が利用できます。

例えば、金利を少し上げて 8 % としてみましょう。72÷8 = 9 なので9年で倍返しとなるべきところですが、実際に 1.08 の 9 乗 を計算すると、1.9990046271 という近似値が得られます。確かに非常に2に近い数値となりました。なお、Google電卓を用いる際には「1.08^9」などとテキストボックスに入れて検索してみてください。

蛇足ながら、例えば6%の金利が付くということは 預金額の 0.06倍 の利子が年度末までにプラスされるということです。ですので、年度初めの預金額の(もともとあった1+金利の0.06で)1.06倍の数値が翌年度初めの預金額となります。ですので 1.06 の なんとか乗 という計算である年の預金額が計算できるのです。

更に具体例を上げるならば……。

金利 倍返しまでに期待される年数 その年数が経過した時点に何倍になっているか
12% (72/12 =) 6年 1.12^6 ≒ 1.97382
8% (72/8 =) 9年 1.08^9 ≒ 1.99900
6% (72/6 =) 12年 1.06^12 ≒ 2.01219
4% (72/4 =) 18年 1.04^18 ≒ 2.02581
3% (72/3 =) 24年 1.03^24 ≒ 2.03279
2% (72/2 =) 36年 1.02^36 ≒ 2.03988
1% (72/1 =) 72年 1.01^72 ≒ 2.04709

と、具体的な計算での証明というかたちになります。

しかし、数学という学問で検証するとなれば、具体例をいくつあげようと、例外がどこかにあるかもしれない。例え何万、何億の具体例があったとしてもただひとつ例外があれば、全てにおいてはなりたたない、そういった厳しい世界(?)です。そもそも 2 ちょうどにならないし、2 に近いとはいうもののそれは近似値に過ぎないので、今回は数学の話題とはかなりずれた議論をしてまいりました。ですので今、それを思い数学のタグを外しました……。

とりあえずは、72÷年率≒年数、それをひっくり返して 72÷年数≒年率。
この式でもって「倍返しだ!」まで何年かかるのか、あるいはある年数の後にに「倍返しだ!」されるには年率が何パーセント必要か、近似的とはいえども目安として計算できることがいいたかったのでした。金利がその期間中にほとんど変わらない場合にのみ成り立つという重要な性質も補足しておきます。

それにしても、近年では 0.1%、いや今はもうそれどころではなくて 0.05%, 0.03% という金利の時代です。それらに『72の法則』をすなおに適用すれば、0.1%で720年、0.05%で1440年、0.03%で2400年……。もちろん我々がこの地上で生きることがゆるされている年数をはるかに超えるとんでもない年数が出てくるのです。

少なくとも銀行からお金というかたちでの「倍返しだ!」はもうこの先ありえないでしょう……。

『風立ちぬ』観てきました

日記 レビュー

久方ぶりの更新でございます。
しかし、今日以前の最後の更新は4月末で、実に4ヶ月ぶりの更新ということになります。しかも、4月末に書いたのは生存報告とお知らせの短文だったのですが。
それで、更新のない月が 5月, 6月, 7月 と3ヶ月続き、今月8月も更新がなければ(今年2月も更新がなかったので)「4ヶ月連続5回目」の更新のない月になるところでしたが、月末近くなってストップを掛けたところでございます。
この4ヶ月、何やってたかというと、まぁ、なんとかやってました。怪我とか罹病とか入院とかはしていませんよ。むしろ、作業所に通い始めたり、旅行に出かけたりと、今までの人生の中でも充実期にはあったのですよ。せっかくですので、それを継続していきたいと思います。

はてさて、タイトルで申しましたとおり、今年のスタジオジブリ作品『風立ちぬ』を本日(2013年8月29日木曜日に)観てきたわけですが。観ての感想を自分の視点で、かつネタバレを最小限に抑えつつ、述べさせていただきます。ちなみに、うちの近くの映画館では毎週木曜日は「メンズデー」ということで男性のみ1,000円にて映画鑑賞できるのですよ。もちろん「レディースデー」もありますが。あと「カップルデー」「シニアデー」「学生デー」もあるようです。

一言でいうならば、「技術者とは何か、を考えさせられた」というのが一番深い印象です。このあたりはネタバレに突っ込んでしまいそうなので書くのは控えめにしますが。巷ではとにかく泣ける作品だと評判とのことでしたが、私は涙を一滴も流しませんでした……、やっぱり冷血動物なのですかね。でも最後はただ呆然としてしまいました。

映画の舞台は(1923年9月1日に発生した、今年でちょうど発生から90周年となる)関東大震災前から太平洋戦争の終結(?)までの、つまりは20年以上もの長い期間にわたるのです。関東大震災の被災を経て、そこから復興はしたものの、昭和に入り世界恐慌の影響を受け、満州事変を経て日独伊の結盟や日中戦争などの「十五年戦争」を経ていく、要は日本の暗い時代が舞台なのです。

しかし、毎度のことながらさすがジブリ作品、見応えはじゅうぶんでありました。時代背景等の描写も非常に細やかでありました。震災の発生など各場面の描写も非常に細やかでした。現代21世紀を生きる我々から見ると彼らの言葉遣いとかが謎に感じましたが、当時はほんとうにそういう言葉遣いをしてたのかなとも疑問に感じます……。この作品のために時代考証をされた専門家の方も多くいらっしゃったのでしょうね。

あと理系の人間の視点から観ても、飛行機の技術者である堀越二郎の半生を描いたこの作品は興味深いところがいろいろとありました。それゆえに先述の「技術者とは何か、を考えさせられた」という印象に行き着いたのだろうと思います。(『アポロ13』なんかでもおなじみだった)計算尺なんてアイテムが出てきますが、かつての時代には計算尺は技術者の命だったわけですね。製図の場面も各所に出てきました。

あと、巷でも喫煙のシーンが多いとも言われていましたが、確かにそうではありました。けれど、所謂「嫌煙」が嫌いな私にはそのあたりはどうでもよかったりはします。昨今の『はだしのゲン』の公開中止騒動にもいえますが、どうでもいいことにとらわれて本質を見失うというのも残念なはなしだとは思いますね。

映画館に行くことが非常に少ない私ですが、また観てみたいなとも思える作品でした。これ以上ぐだぐだ言ってもあれなので、このあたりにて。

生存報告と減力のお知らせ

こんにちは、猫尾です。
もう4月も月末ですね。このブログの更新も1ヶ月ぶりです。
ここ最近はリアルのほうもちょっとだけ忙しくなりつつあるので、ブログの更新がまたしばらくなくなるかもしれません。
というわけで、ブログが更新されなくても中の人はなんとかやっていると思ってください。

次元解析(其之参)

次元解析 物理学

今回は前回よりもさらに抽象的な物理量について解説いたします。

質量と重量(重さ)というのは、よく相互に混同される概念です。というよりは、日常生活ではこのふたつは同義としている場面は多いのです。しかし、このふたつの違いは中学校の理科でも教わる内容でもあります。読まれておられる方も「体重が60キログラムの人が、月に行ったら体重が10キログラムになる」なんていうことを学校で教わった経験はおそらくあるでしょう。

思ってみれば、質量というのも不思議なものです。これを書いている現在(2013年)の最新の科学ニュースでは、ヒッグス粒子が云々と話題になっております。これについては私も少なからず興味をそそる話題なのですが、とりあえず、今は極々初歩的な話題を取り扱っていますので、質量の本質とは、だとか、そこまでは立ち入りません。

質量とは英語で mass なのですが、重量は weight です。物理学では斜体の  m という記号で質量を表現することが多いのですが、やはりそれは mass の頭文字であるからです。SI単位での質量の単位は kg(キログラム)です。なぜ、グラムではなくキログラムなのかという疑問も自然に生まれるところですが、そこには歴史的な背景もあるようです。さて、「体重が60キログラム」という表現は日常生活ではともかく、物理学の見地では正しい表現とはいえません。「体質量が60キログラム」と言い換えれば、物理学的にも正しい表現となるのかもしれませんが、「体質量」という表現が実際に使われているかどうかはわかりません。

質量は宇宙のどこに行っても変化しないといわれます。学校の理科では「質量は天秤ばかりで測り、重量はバネばかりで測る」というようなことを教わります。病院やお風呂屋さんなど、最近では一般家庭にもありますが、ごく普通の体重計がもし月の上にあってなおかつ使えるならば、地球上で体重が60キロになる人は、月の上では10キロになってしまうでしょう。もちろん測定時の被験者の条件(宇宙服を着たままなら着たままで、など)は同じであるとします。しかし、シーソーがまた月の上にあるならば、60キロの米俵とちょうど釣り合うのは、地球上でも月の上でも同じです。しかし、その米俵をまた先程の体重計に載せれば、月の上では目盛りはやはり10キロを指してしまいます。

では、「質量」と「重量」の間にはどんな関係があるのでしょう。実をいいますと、そのふたつの量の橋渡しをしているのは「加速度」という物理量なのです。「加速度」については高等学校の物理の力学分野において最初に確認されるところのものです。

「加速度」とは単位時間あたりの速度の変化量と表現されるところのものです。これについて少し解説をいたします。吊り橋の上から谷底に向かって石を落とすことを考えます。空気抵抗を無視すれば、この石は毎秒あたり同じ割合で鉛直下向きの速度を増しながら落下していきます。この割合は地球上では毎秒ごとに 約 9.8 m/s となります。この値が地球上での「重力加速度」ということになります。この重力加速度は地球上では標高や緯度などのためにごく小さい差異はあるものの、だいたいどこでも 約 9.8 m/s/s となります。この単位  \mathrm{m/s/s} は「メートル毎秒毎秒」と読むのですが、 {\mathrm m/s^2} と表すことが多くであり、また  {\mathrm m \cdot s^{-2} といったような負の指数で表現することもあります。

この重力加速度は大きいほうがより大きく加速することになります。ですので、一見「物体の質量が重いほど重力加速度が大きくなる」ことも期待されます。しかし、ピサの斜塔の実験の伝説が示唆するところでは、地上での重力加速度はどこであれ、何に対してであれ一定(先ほど言いましたように場所による重力加速度の差異はごく小さいながらありますし、実際の物体には空気抵抗なども働きますが)ということになります。

しかし、地球上では 約 9.8 m/s^2 であるこの重力加速度。月面上ではその 約 1/6 である 約 1.6 m/s^2 となるのです。実は、月面上において、体重が 約 1/6 になる理由は重力加速度も 約 1/6 になるからなのです。つまりは重さは重力加速度に比例するものであり、かなり端折ることにはなるものの(重さ)とは(質量)と(重力加速度)の積、ということが知られています。これを一般化して、(物体に働く力の大きさ)を(物体の質量)と(物体の加速度)の積とされます。つまりは、物理学でいう重さとは力の大きさと同じ次元を持つところのものであるのです。

物理学を深く学んでいく過程では、さまざまな物理量が現れます。これらのうち力学に関していうならば、全てが(長さ)と(質量)と(時間)のべきに「因数分解」されるのです。ただ、電磁気学を学ぶときにこの三つに(電流)という「因数」が付加されますし、さらに熱力学等の研究の際には(温度)(光度)(物質量)という「因数」も付加されますが、これらの「因数」でもってあらゆる物理量が表現可能となるのです。

次回からはある程度進んだ数学的な手法も用いて、次元について説明していきます。